ガット張り機を選ぶときのポイント

ガット張り機を選ぶ時は3つの大事なポイントがあり、下記の順番で選ぶことが大切です。

ガット張り機の選び方

その１）ラケットサポートの支持

その２）クランプとストリンググリッパーの構造

その３）テンションシステム（手動式、電動式、分銅式、足踏みなど）

多くの方が　その3）を最初に考えがちですが、その３）は最後に考えることです。なぜなら、いくらテンションシステムが良くてもラケットサポートとクランプとストリンググリッパーがダメなら張替出来ないからです。

その１）ラケットサポートの支持

多くのガット張り機は6点サポートを搭載しています。6点サポートは、ラケットの変形を抑えるためにサイドサポートがラケットの外側に4点あります。このサポートシステムでは縦ガットを張る時、ラケットのストレスが聞こえます。それは、ラケットの形が変形する音です。6点サポートで張り替えするとラケットの寿命が短くなったり、折る可能性があります。その点、ストリングウェイ独自の5点ダイレクトサポートは内側に上3点、下2点で支持するため、フレームがふくらまず変形しません。5点ダイレクトサポートは張り替え時のラケットのフレーム負担と折れる可能性が一切ありません。下記のビデオリンクをご参照ください。

ストリングウェイ5点ダイレクト ｖｓ他社の6点サポートの実験でラケットの変形を見てみましょう！

http://youtu.be/dpYayL5XqxY

その2）クランプとストリンググリッパーの構造

良いクランプとストリンググリッパーは、絶対ガットに傷を付ずガットが滑りません。私は10年以上ガット張り機を販売しながらストリングウェイと他社のクランプを使ってみていますが、ストリングウェイのクランプとストリンググリッパーのほうが挟む面積が広くて均等に挟むので傷つけず、滑りません。今まで使っているクランプとストリンググリッパーの中で一番使いやすいです。他社のクランプとストリンググリッパーはガットを傷付けたり、滑ったり、故障が相次いでありました。

良い固定クランプは動かしやすく、簡単にガットをクランプしながらベースに固定出来ます。今まで販売しているガット張り機の中でストリングウェイの固定クランプが一番使いやすく故障しないです。他社の固定クランプはスムーズに動かない場合の調整が非常に大変なので使いずらい事が結構ありました。

良いフライングクランプより良い固定クランプほうをお勧めしますが、予算が限られている場合は、悪い固定クランプより良いフライングクランプのほうをお勧めします！

ストリングウェイはフライングクランプと2つの固定クランピングシステム（T９２シングルアクション、T98ダブルアクション）がありますので下記のそれぞれのビデオをご参照ください。

ストリングウェイT92クランプ　１００％ステンレススチールでシングルアクション固定！

http://youtu.be/ocprw2AmZAk

ストリングウェイT98ダブルアクション固定！クランプは固定か解除かが一目で分かります！

http://youtu.be/mD65APhRvWk

Stringwayストリングウェイフライングクランプと固定クランプの紹介と説明

http://youtu.be/6u0ZNTt0BDE

その3）テンションシステム（手動式、電動、分銅式、足踏み、など）

ガット張り機を選ぶポイントの最後はテンションシステムです。大体4種類のテンションシステムが市場に出回っています。

１）分銅式　（コンスタントテンションプル 有り）

２）電動式　（コンスタントテンションプル有りと無しの機種があります）

３）バネ式、また手動式　（コンスタントテンションプル不可能）http://www.hiqua.jp/images/stringmachine/combofull.jpg

４）コンスタントテンションプル機能付き足踏み (ストリングウェイのMS200　http://www.hiqua.jp/ms200.htm）

テンションはメカニカルなことなので、メカニカルテンションシステムが一番適正です。

ガットを張る際にはコンスタントテンションプルがとても大事です。なぜなら、ガットは伸びが遅く（伸びやすいマルチガットでも伸びるのに8秒以上かかります）コンスタントに引っ張り続ける事が出来るシステムが一番正確です。

バネ式、また手動式テンションシステムはコンスタントテンションプルが出来ないので一番お勧めできません。

コンスタントテンションプル出来ない電動テンションシステムもお勧め出来ません。

コンスタントテンションプル出来る電動式ガット張り機はテンションを計りながら引っ張り、ガットが設定したテンションになると自動的に引っ張ることを停止するようになっています。 性能の良い張り機で、更にテンションを計る装置が正常に作動している時は、ガットが緩るんだ際、モータが再び動いて再度引っ張るため、コンスタントに引っ張り続けるに近い効果になります。あまり性能の良くない、またはテンションが狂っている電動式はコンスタントに引っ張りません。電動式は引っ張るのをやめた後、テンションが落ちると再度引っ張り出しますが、その際設定テンションより多めに（強めに）引っ張ってしまいます。このため、引っ張りすぎたときにクランプしてしまうと設定したテンションより多めに（強めに）張れてしまい、また、引っ張って居ない時（ゆるみが出ている時）にクランプしてしまうと、設定テンションより低くなる場合があります。このことから、意外と電動式は不安定なテンションになりやすいです。

電動式テンションヘッドはモーターの性能と温度によって設定したテンションと実際に引っ張るテンションの誤差があります。例：電源を付けたばかりのモーターが冷えた状態としばらく使ってモーターが温まった状態。

電動式の弱点

１）テンションシステムの不具合等によりテンションがずれます。たまにテンション調整ゲージで設定したテンションが正確かどうか確認が必要です。

２）電源とコンセントが必要

３）モターは熱を発生するため、長く起動するとオーバーヒートする恐れがあります。

４）複雑の構造で壊れやすい。修理が出来る場合はかなり大変、もしくは不可能な場合もあります。

５）重くて持ち運びづらい

６）機種が大きく場所を取り収納が難しい

７）一度テンションを設定しテンションヘッドを起動させると途中で停められません。私はバドミントンラケットを間違ってテンション５５ポンドの設定でガットを引っ張ってしまい、途中で止められなかったため、ラケットが折れました。

８）プリーストレッチングとノット結び目機能があっても細かく調整出来ません。

分銅式の中でもお勧めの機種

ストリングウェイML100自動分銅式テンションシステムは一番正確、純粋のコンスタントテンションプル実現出来ます。地球の重力が変わらない限り普遍的にテンションはずれませんのでテンション調整ゲージは必要ありません。他社はラチェットスプリングシステム（http://www.hiqua.jp/springclutch.htm）を使用していますが、ストリングウェイは使用していないため操作が簡単で正確、壊れません。プリーストレッチングとノットの結び目は自分で１００％調整出来ます。ガットを引っ張っている途中でガットが切れそう、もしくはラケットが折れそうなら止めることが出来ます。

ストリングウェイ自動分銅式テンションシステムに近い正確な電動式テンションシステムは非常に高額になりますが、ストリングウェイ自動分銅式テンションシステムに勝てません。　

ストリングウェイのMS200足踏みは自動分銅式テンションシステムと同じぐらいの正確なコンスタントテンションプルが出来ますが、たまにテンション調整ゲージを使ってテンションの確認をお勧めします。

テンションシステムの速度と張り具合の関係

ガットはゆっくり伸びますのでなるべくゆっくりガットを引っ張り、設定したテンションになりましたらクランプをする前に8秒程待たないと張りあがったガットがすぐ緩みます。ちゃんとガット張りするなら時間がかかるため、テンションシステムの速度は正確なテンションでのガット張りには関係ありません。分銅式の場合はなるべくゆっくり分銅を下ろしましょう。電動式に引っ張る速度設定がありましたらなるべく一番遅い設定が良いです。

お客様からのメールで電動が楽だという内容が良くありますが、電動ガット張り機の「電動」とはガットを引っ張る部分だけ電気の力を使っているだけで、ラケットを張り上げること全てを任せられるわけではありません。ご自身のラケットを自分のプレースタイル等に合わせて張り上げるには、電動では出来ない部分がかなりあります。電動で楽に早くラケットを張り上げても結局、テンションがすぐ落ちてしまうので、すぐに張り替えなければ、思ったようなプレーは出来ません。